寺スが綴るコラム

サトヤマ寺スとSDGs

「サトヤマ寺スとSDGs」#2すべての人に健康と福祉を

「SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」とは、2015年に国連にて採択された「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を理念とした、貧困・飢餓・不平等など17の諸課題を解決するための、世界をよりよくするための目標のことです。
私たちサトヤマ寺スも様々な取り組みを通じてSDGsを意識した活動を行っています。

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【サトヤマ寺スのSDGsへの取り組み】


SDGsという言葉はもちろん新しいものではありますが「誰一人取り残さない」という理念、それってもともとお寺が、ひいては仏教がやってきたことだよね!?という想いから取り組みがスタートしています。

私たちの現在を覆うコロナ禍は大きな変革をもたらしています。
都会から郊外へ、リアルからオンラインへ、ひとの意識は移り変わっていきますが、人と人との「つながり」は失われることはありません。

これからの時代「里山」✕「お寺」✕「SDGs」の視点がさらに重要になっていくと私たちは考えています。



今回は【SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」】について。


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「すべての人に健康と福祉を」という目標、それは「どんな人間でも差別されることなく、最高水準の健康と適切な保健医療サービスを確保できるようにする」ことを目的としています。


日本はご存知のとおり世界でもトップクラスの長寿国です。
それは「行きたいときにいつでも誰でも病院に行ける」といった、恵まれた医療体制や保険制度の上に成り立っていると言えます。

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海外では医療制度が整っていなかったり、医療費がすべて自己負担であったりと、必要であっても十分な治療を受けれない人が沢山います。
そのような基礎的な医療保険サービスを受けられない人が世界人口73億人の半分、約36億5000万人いると言われており、これらの多くの人は病気になっても適切な治療が受けられず、また予防接種やワクチンといった基礎的な医療保健サービスを受けられないことで亡くなっている命がたくさんあります。

この目標が考えられた背景は、世界には上記のように貧困などが原因で医療体制が不十分な国が、途上国を中心に数多くあるためです。





では豊かな医療保険制度に支えられた日本に住む私たちには関係のない話でしょうか?


日本の現行の医療制度、もしかしたら将来的にそれが、当たり前ではなくなる可能性もあります。
今後の日本では"超"のつく少子高齢化のさらなる進行により病院にかかる高齢者が増え、逆に医療費を負担する働き手世代が減ることがほぼ確実視されています。
それが引き起こすのは、「医療保険制度が保てなくなる恐れ」です。

そのような"超"高齢化社会になっても医療費が増大しないためには、一人ひとりの「健康寿命」を延ばすことが重要になると考えられています。


『健康寿命』とは・・・

健康寿命とは、健康上の問題点がない状態で日常生活が送れる年齢のことをいいます。

日本では国の政策のひとつとして健康寿命の延伸に取り組んでいます。
健康寿命が延びるということは、亡くなる前の数年間を寝たきりや認知症となって過ごすことなく、質の高い生活をそれぞれが楽しみ、満足した生涯を送ることができることも意味します。

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サトヤマ寺スでは日本一の長寿県「長野県」にあります信州大学の寺沢宏次教授監修のもと「寺沢健康教室」をはじめます。

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長寿県というと沖縄を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、現在の最長日本一は男女ともに「長野県」です。
しかも男性は1990年、女性は2010年に1位に輝いてから長年その座を譲っていません。
その成功の秘密は、食生活の改善・充実を中心とした「予防医療」にあると言われ、通称『長野モデル』と言われ他県がこぞってお手本としています。


そして長野県は長寿なだけではなく、高齢者の就業率が26.7%で、これも全国1位です。
この数字は全国平均を大きく上回っており、高齢者の就業率が最も低い沖縄県の約2倍にも達します。
すなわち、寿命が長いだけではなく「健康寿命」も長く、男女共に全国1位なのです。


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サトヤマ寺スがお送りする寺沢健康教室では「健康寿命」を延ばし生活を豊かにする様々な取り組みを行っていきますのでお楽しみにどうぞ!

https://www.satoyama-teras.com/health_care/index.html


自身が健康であり続けること、それはもちろん何より自分自身の幸福のためではありますが、ひいては日本の豊かな医療保険制度を末永く持続させる第一歩にほかならないと考えます。





最後にもうひとつ、「健康」という言葉の持つ意味について。

健康と言えば、身体の健康のことを思い浮かべる人が多いかと思いますが、「健康」とは何かについて世界保健機構(WHO)憲章にはこのように書かれています。

『健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、 あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつです。
世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。
(引用: 「世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)」)

このように、身体だけでなく精神的にも健康で差別されることのない健康で恵まれた世界の実現の為にSDGs目標3が必要とされています。


私たち「サトヤマ寺ス」は、医療法人友愛会と沼津市のお寺宝珠院のコラボによってスタートした取り組みです。
医療法人がおこなう病気や怪我の身体的なケアと、お寺が担う心といのちの拠り所としての役割をMIXさせることで地域の皆様に本当の意味での「健康」を提供できるのではないかと私たちは考えています。


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ほんのすこしでも「健康」に関心のある方は、いつでもどなたでも気軽に「サトヤマ寺ス」にお越し下さい。


サトヤマ寺ス運営部 稲川哲朗